ずっと気になって、知らないふりをしていたことがあった。
十数年前に、会社を退社する時に先輩からプレゼントしてもらった作家さんの粉引きのお茶碗がある。
その石づきの辺りが年々黒くなってきていて。
最近は、お茶碗の縁の方も黒い点が出てくるようになった。
こ、これって…。黒カビじゃね?
と、心の中で思いつつ、
いや、そんなはずはないわ…、と知らないふりして使い続けていた。
最近、暇なものだから、ちゃんと調べてみたところ、
粘土の中に鉄紛が混ざっていたりすると、鉄が酸化して黒くなったりするらしい。
臭いを嗅いでみて、カビの臭いがしなければ、鉄らしい。
ふむ。
くんくんと嗅ぎまくる。
嗅ぎまくるけど、全然臭くはない。
それでも疑わしいので、強力な漂白剤を黒い部分に塗ってみる。
これで、ちょっとでも色が変われば、カビ判定!
10分後、恐る恐る見てみると、黒いまま! 鉄判定!やたっ!
はぁ。良かった。これで、安心して、粉引き茶わんでご飯が食べられる。
しばらくは暇なので、知らないふりしていた件をどしどし解決していこうと思う。