きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

キム・ジヨンを観る。

 

コン・ユssiファンであるので、観てきましたさ。

『82年生まれ、キム・ジヨン』。

原作も読んでいたので、どんな空気感なのかはだいたい想像もできるが、原作の通りであれば、到底救いはなく、この時期、このようなヘビーな物を観るのはキツイと思う。

しかし、韓国で公開された際、結末に希望が描かれていると聞いていたので、安心して映画館へ足を運ぶことができた。

ジヨン役のチョン・ユミssiも夫役のコン・ユssiも演技が上手いので、引き込まれてしまった。

私はこの映画版、いい作品だと思った。原作とはかなり違っている点で、批判もあるようだけど、著者も「制作当時から5年も経っていればジヨンの状況も変わっている」と認めているのだから、これはこれでいいと思う。違っていたとて、女なら、誰しもが似たような経験があるような、胸が痛くなるシーンは多分にある。涙も出た。むしろ、希望が見えて、ジヨンが救われて、幸いだったと思う。私の心も救われた。

人の心には、それぞれコップのような器があって、大きさも深さも形もみんな違って、増え方も減り方もそれぞれ違う。器の中には哀しみや苦しみ、虚しさや絶望が、本人も知らぬ間にひたひたと満たされていき、ついに淵から溢れ出てしまうと、人って壊れてしまったり、どこかへ逝ってしまうのかもしれない、とジヨンを眺めながら思った。

子供をたくさん産みたい人、産んでも働きたい人は、何も心配することのない世の中に。一方、一人で生きて行きたい人は、何も気にすることのない社会に。

まあ結局は、どんな選択をしても、どんな生き方であっても尊重される寛容な社会が求められている気がする。大人は、作らないといけない気がする。そんなことを考えさせられた映画であった。