きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

週末記。

 

週末は、先の火災警報器誤作動事件の他は、非常に穏やかに過ごした。

編み物教室へ行き、なんとか袖も編み進められた。

教室は、私が普段交わることのない世代だったり、職業の方々と触れ合える場所なので、とても刺激になるし、面白い。手芸する人って、まず攻撃的な人はいないので、とーーっても癒される。羊毛のようにふわふわと、温かくて柔らかい。

 

夜は韓国ドラマ「Two Weeks」というドラマを見ていた。

殺人の濡れ衣を着せられた主人公(イ・ジュンギ)が、白血病の娘に自分の骨髄を移植するまでの2週間の逃亡劇。放送当時は、イ・ジュンギのことがそんなに好きでもなかったのでスルーしていたのだが、「麗」以来、イ・ジュンギの魅力を認識したことと、評価がいい作品だと聞いたので、どれどれと手に取ってみた。結果、ハラハラ、ドキドキが止まらない、構成、展開もリズム良く、面白い作品だった。それに、この娘役の子がめっちゃ可愛い。笑顔を見ているだけで癒される。

 

そして、『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ。

韓国ではベストセラーの後、昨年、コン・ユとチョン・ユミで映画化されることで話題になっていたので知ってはいた。今年に入り、日本でも2,3度新聞の書評で取り上げられているのを見て、日本でも売れているんだなあと思いつつ、他に読みたいものもあるしと見送っていた。そうしたら、もう読んだからとお友達が貸してくれた。ラッキー。

一気に読んだ。小説は、突然何人もの人間が憑依してしまったかの言動が現れたキム・ジヨン氏について、彼女を担当した精神科医が書いた診察カルテの記録、という面白い形式で綴られている。作者はラジオ番組の作家だったりもするので、耳から入っても分かりやすく、想像しやすい、ラジオ的な表現が多くみられる。

韓国では(日本でも?)、フェミニズム本だと言われている作品で、女性の支持がもの凄い高い一方、一部の男性達からは酷評されていると聞く。男女嫌悪を助長させているとも。キム・ジヨンや彼女を取り巻く「女」たちが、「女」であることで被る理不尽や不条理を、淡々と濃密に綴られている。自分も含め、たいていの女性なら「ああ」と、思い当たる事が多く、絶望や憤怒、同情と共にジヨンのことを理解できるのではないだろうか。

ただ、個人的にはフェミニズムというよりも、広義に差別や社会問題を取り扱った小説と捉えたほうがいいのかなとも思う。そうでないと、男女感の軋轢を深くさせかねない気もする(フェミニズムが大嫌いな男性って今もいるから。男女という対立構造は一旦外して考える方が賢明な気がする)。キム・ジヨンの心が、なぜ壊れてしまわなければならなかったのか、何がそうさせてしまったのか、という理由や社会背景を、女だからとか男だからではなく、共に一人の人、国民として捉えなければいけない問題なのではないだろうか。政治や教育、社会構造から向き合わなくてはいけない、一石を投じる小説なのだと思った。