二日目。
この日も、異例の猛暑は続いている。
それなのに、我々は、遠出をしようとしている。
場所は、ここ。
水原(スウォン)。
世界遺産に認定された、水原 華城である。
韓国には、年に何度も通っているが、最初に行った時以来、文化的なものに触れるということをしていなかった気がして、今回は歴史的、文化的な物にも触れようと思い、解説入りの半日ツアーを日本から申し込んでいたのだ。
18世紀末、22代国王の正祖(イ・サン)が、老論派の陰謀により横死した父の思悼世子(サドセジャ)の墓を楊州から水原に移して、城壁や楼閣、城門を築いて防護を固めたものが、水原華城(スウォンファサン)。
そして、この華城を設計、監督したのが、丁若鏞(チョン・ヤギョン)。別名、茶山(タサン)。韓国実学の創始者と言われている学者さん。私の韓国語の先生がよく「イ・サンのベストフレンズ」と呼ぶ茶山(笑)
更には、この丁若鏞の直系に、若手俳優のチョン・へイン君がいる。超エリート家系なんだな。自分のヒイヒイヒイヒイヒイ…お祖父ちゃんが正祖の親友だったなんて、凄いことよね。
この日、水原も猛暑。写真を見て分かる通り、ほとんど観光客はおらず。
前日に、明日水原へ行く、とソウルの韓国人に話したら「(こんなに暑い中行くなんて)、イカれている」と呆れられたのだ。
暑い中、朦朧としながら城壁を周遊する。
この、ブロックというか、石の積み方が日本とは違って独特。
ほんとに広い。奥の山の上まで城壁が続いている。
射亭。見物台のところから王様が見物していたんだろう。
ほんとうに、ほとんど人がいない(笑)。暑すぎて!!!
いろんなところにムクゲの花が咲いている。ムクゲは韓国の国花。
城壁の先にはまた見物台。ここで王様たちは、お酒を飲んだりしていたのかしら。
建物の中に入ってみると、なかなかいい眺め。
観賞用に、蓮の池もある。
突然の襲撃にも対応できるための、隠し通路だそう。
山の上にも建物が。異変があるときには狼煙を上げていたと聞いた。
王宮でよく見られる、ヘテ。正邪を見分ける能力を持つ聖獣だそう。日本での狛犬と同じようなものかな。
華城中心部に移動すると、華城行宮(ファソンヘングン)。王様の別邸だそう。
チャングムの誓いは、ここで撮影されたそうだ。
なんとなく、チャングムで見たような、景色だ。
奉寿堂(ボンスダン)。
王様の行事を行う際の正殿として使用された建物。「奉寿堂(ボンスダン)」という名前は、万年の寿を願うという意味で、正祖が母親である獻敬王后(恵慶宮洪氏)の長寿を祈願して付けたと言われている。
まさに、この場面は、1795年(正祖19)に、獻敬王后の還暦を祝う宴を行っている設定。右端に、正祖が。
左側に座っているのが、正祖のお母さんの獻敬王后。祝典の儀の最中なのね。
石版に、韓、日、中、英で説明書きも。
トイレに、謎のトリックアートが(笑)。
以上で、半日ツアーは終了。
送迎の車で、ソウルまで戻ることに。
降車が、仁寺洞を予定しているので、そこから近い安国の、お馴染み「土俗村」の参鶏湯でも食べようか?という話になる。
すると、ツアーのガイドさんと運転手さんが「なんで、日本人は土俗村ばっかり行くのかい?土俗村は、そんなに美味しいと思わないよ。もっと美味しいところが他にもたくさんあるよ。」というので、じゃあ教えてください!と運転手さんたちがお気に入りの参鶏湯屋さんを教えてもらう。
お店は、土俗村のすぐ近く、「皇后参鶏湯(ハンフサムゲタン)」
この階段を上がる。
お店に着いたのが12時過ぎ。お昼時で混んでいるかと思いきや、お客が2組のみ。
もう1組は、地元の韓国人らしい女の子2人。
ガラガラですけど、ほんとに大丈夫かしら?と、心配になりながらも、シンプルな仁寺洞参鶏湯(15000w)を注文。
しばらく待っていると、来ました。ぐっつぐつに煮ている鳥~。
箸を入れた瞬間、ほどけるように柔らかい。土俗村より柔らかいと思う。
土俗村は、こってりとろっとしている一方、こちらの皇后は、あっさり、さっぱり、でもちゃんと鶏のコクもしっかり感じることができる。私見では、どちらも美味しいかな。これは好き好きじゃないだろうか。お年寄りや女性、または頻繁に食べる人には、皇后の方が好まれる気がする。まあ若い男性なら、土俗村の方がおすすめかな。
こちらの方がシンプルなメニューなら、値段も安いし、まず並ばずに入れるので、土俗村が混んでいたら、次回もこちらを選ぶと思う。
そして、食べている間、ガラガラだった店内が、いつの間にか満席になっていた。しかも、来ている人たちほとんどが、韓国人。やっぱり美味しい店なんだな。
以下が、メニュー。次回は、28000wの名家参鶏湯を食べてみたい。リッチな味わいなのだろうか。
ちなみに。
土俗村はどうかというと。
ゲゲッ。店の入り口から奥~の方まで続く、大行列。100人近く並んでいるんじゃない?!
こんなクソ暑い日に、ここまでする必要はないと思う。皇后に行って良かった。
土俗村に来たので、いつもの目の前のチョコレート屋さんにも寄ろう。
アイスアメリカーノとチョコレートのセット5500w。アメリカーノは、韓国サイズの特大。でも、他のチェーン店などで見受けられるような薄味アメリカーノではなく、ちゃんとカカオ屋が作っている珈琲だけあり、しっかりと濃いエスプレッソを抽出して作っている。美味しい。そして、安いので、このお店での休憩は、おすすめ。
ここで、身体を一旦冷やしてから、移動。
仁寺洞でお土産を買ったり、ショッピングに勤しむ。
しかし、何度もしつこいが、この日は灼熱。
着ている服が、もう、背中から腰にかけて、おもらしをした子供のように、びっちょびちょ。
気持ち悪いので、一度ホテルに帰ってお風呂に入ってから、また出かけようということになり、地下鉄でホテルへ戻った。
ホテルの部屋へ入るなり、着ていた服を脱ぎ棄てて速攻、シャワーを浴びた。汗だくだったので、ほんとにさっぱり気持ちがいい。着ていた服や下着も、びっちょびちょで気持ち悪いので、すべて洗濯して、部屋で乾かすことにした。ホテルは乾燥しているので、1日あれば乾くだろう。
いやあ、ここまでびちょびちょになる旅行って、山は別として、初めてかも。(だから、8月になんて、行くもんじゃないのね><)
しばらく部屋で休んでから、今度は弘大近くの合井(ハプチョン)まで地下鉄で移動する。同行したお友達が、「maison Kitty bunny pony」という、マリメッコ風な、北欧調なテキスタイルの製品を売っているお店に行くというのでついていった。
建物も中庭付でおされだった。
オリジナルのテキスタイルで作ったポーチやカバン、エプロン、寝具のファブリックもあって、ずっといても飽きないお店。値段も、東大門のように安い!とはいかずとも、マリメッコに比べれば(笑)、お得なお値段。
気づくと結構いい時間なので、夕飯をどうしようかとブラブラする。
お友達が、韓国に来るとたまに行くという食堂があるというのでそこで夕飯を食べることに。
「ソルネハノクチプ」
このお店は、コウケンテツさんのソウル本で紹介をされてから、日本人が来るようになったそう。あの本は、美味しいお店ばかり載っていたはずなので、美味しいに決まっているね。
店名の通り、韓屋(ハノク)の建物。玄関で靴を脱いで入店。
中は、座卓テーブル8~10台くらいの広さ。冬はオンドルになるのだろう。
私たちが注文したのは、名物のポリパプ(麦ごはん)と、白菜のチヂミと、マッコリ。優しそうな老夫婦が対応してくださり、お料理してくれる模様。
すぐにバンチャンが運ばれきて、ちょこちょこつまんでいると、来ました。
ポリパプセット。
麦ごはんのボールに、左端のナムルの盛り合わせ(一人前ずつお皿で提供)をざざっと入れて、コチュジャンを入れて混ぜる。あっさりしているけど、美味しい。
そして、白菜のチヂミ。
白菜のチヂミというのは、初めて食べる。外はカリッとしているが、中は肉厚な白菜のお蔭なのか、ふわっと柔らかい。ほんのり甘みがあって、柔らかくて、とっても美味しい!!冷めてきても、いくらでも入る(笑)。ポリパプも、このチヂミも、優しい味~!
ここのマッコリも、とろっと濃いのだけど、喉越しが良い。スルスル飲める。
ああ、美味しかった~!
ご参考までに、メニューの写真を。
そこからホテルに戻って、現代アウトレットシティ地下のmeal topで再び締めのピンスを食べる。
フルーツピンス。8000w
ミルクの氷に、イチゴのソース、キュウイ、バナナ、スイカ、オレンジが乗っている。こんなに主張のあるフルーツたちばかりで大丈夫かと思いきや、ちゃんとミルクで統制が取れていた。美味しい。
暑いので、いくらでも食べられる!おいひい!
もう遅いので、部屋に戻ることに。
お休みなさい。
次回は最終日だけど、ほとんど写真はないので、お土産を。