今さらながら、
武田百合子の『犬が星見た』と『富士日記(上中下)』を続けて読了。
通勤電車の往復だけ、ちびちびと読んでいたので時間がかかってしまった。
『富士日記』下巻では終わりが近づくにつれ、泰淳に刻々と死が迫りつつある様子が、今までの天気や料理、生物への描写と同じように、淡々と同じ温度で綴られており、それがなおさら、切なくて胸を締め付けていく。最後は百合子さんの9月の日記の追記と、水上勉のあとがきを読んだ途端、涙が止まらなくなってしまった。
電車の中なのに。
ほんとに素晴らしい随筆集だと思う。この人の感性只者ではない。(既に誰もが言っているけど。)
これで、武田百合子の作品は全作読んだのかな。
まだ読んだことがない武田泰淳の作品も読もうかな。という気にさせられた。
しかし、積読書籍がまだまだ山ほどあるので、いつ頃手に取れるのかは、お楽しみだわね。