きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

BBA、南アルプスでボロボロになる。

 

前日のコンサートからほとんど寝ずに朝一のスーパーあずさ

南アルプスへ行ってきた。

目的は、鳳凰三山オベリスクを登るんだい!

と楽しみにしていたのに、とんでもないことになってしまった。

 

予報では曇りだったはずなのに、

九州を困らせていた豪雨の雲が甲州にやってきてしまい、ていへんな登山となってしまった。

 

大雨の中の登山となったので、写真もほとんど取れていない。

(奇跡の数枚は、時間のあるときに差し込むつもり)

 

本来の行程としては、

1日目、夜叉神峠登山口~苺平~南御室小屋 泊

2日目、南御室小屋~薬師岳観音岳地蔵岳オベリスク鳳凰小屋 泊

3日目、鳳凰小屋~燕頭山~御座石鉱泉

となるはずだった。

 

だが実際は…。

1日目。

小雨の降る中、登山開始。

夜叉神峠辺りまでは小雨で済んでいたものが、ザーザー降りの酷い雨に変わる。

f:id:Hi_nekosan:20170711123100j:plain

(写真を入れてみた。だが、この写真からはザーザー雨の悲惨さが微塵もでておらず!!綺麗に撮れちゃってさー。)

苺平に来たあたりでもうずぶ濡れ。身体も手も冷え切っている。

雨なので、もちろん眺望ゼロ。北岳も何も見えない。真っ白で辛い。

開始から5時間で南御室小屋に到着。標準タイム通り。寒いし辛いしで、休んでいる時間もなかったからだろう。

身体が冷たく、あわや低体温症を起こしそうになっているので、

小屋に着くと速攻着替えをする。手を見たら、白くふやけきっていた。

着ていたものは、小屋の入口の脇に干場があるのでそこで外側一式を干した。

ザックは、ザックカバーをしていたのに、何の役にも立たないくらい、ビッチョビチョ。

中の方も、シートゥーサミットの防水バックに着替えを入れていたものの、それでもなんとなく湿っていた。

防水のものであれ、ザブザブの雨には太刀打ちできないと分かった。沢登用のグッズが必要だな。

本日は平日ということもあり、小屋はソロのお客さん2人と私たちパーティーが5人だけ。ほぼ貸切状態だった。

部屋も女性二人で1部屋個室状態だったので、ずぶ濡れになった下着なども部屋の中のロープに吊るしてなんとか乾燥を願う。

 

小屋の中は、石油ストーブと、炬燵が用意されていて、みんな炬燵に入って、夕食の時間までアルコールを身体に入れて暖を取っていた。私たちも赤ワインとつまみで一息。

その間、ソロの人たちとも山談義で盛り上がる。普段はマラソンをしている人や、日本中の山を日帰りで登っている人などもいて、みんなほんとにタフだなあと感心する。山が好き、という共通点があるだけで、どんな世代の人ともすぐ親しくなれるという不思議。登山ってやっぱりいいものだなと思う。

 

(小屋の中、手前にコタツ、目の前には薪ストーブと石油ストーブが。窓の見えるあたりが食堂)

f:id:Hi_nekosan:20170711123221j:plain

 

夕飯は5時半。美味しそうなハンバーグとみそ汁とご飯。ご飯は絶対に残しちゃいけない、ということで自分で食べられる分だけ、よそう。ゴミは出しちゃいけないですものね。

ご飯の用意をされている小屋の方がみな女性、ということもあり、おかずの盛り付け方が美しかった。やっぱり女性だとちょっとした気遣いがあるのが嬉しい。

f:id:Hi_nekosan:20170711123339j:plain

 

あと、水場は本家「南アルプスの天然水」。雨の中、汲みに行ったが美味しかった。

f:id:Hi_nekosan:20170711123505j:plain

f:id:Hi_nekosan:20170711123438j:plain

 

消灯時間は8時。

布団に入りながら、屋根を打ち付ける雨の音を聞く。なんだか、どんどん雨音がすさまじくなっているのは、気のせい?!!

そのうち、地震?かと思うほど、小屋が揺れだしているのも寝ていながら感じる。

明日の天気がかなり心配。止んでくれたらいいのになあ。。。

 

2日目

5時半朝食。出発は7時の予定だった。

だった、のだが、願いとは裏腹に、雨はどんどんすさまじい勢いを増していく。

いわゆる暴風雨、というやつだ。山の暴風雨って、昔、富士山で体験したことがあるのだが、地上で受けるよりも何倍も威力があるのだよね。なんででしょう。雲が近いからなのかな。外にある仮設トイレが風雨で揺れている。

これで薬師まで登れるのかな?!とかなり不安になってくる。

小屋の人に天気予報を聞くと、明日までずっと雨、ということ。

しかも、山の上は雷予報も出ているので、本日の登山は辞めた方がよいとのこと。

1日またここに泊まって、明日は三山の登頂から一気に鉱泉まで下山するか、このまま夜叉神まで引き返すか、みんなで話し合う。

パーティのうち、膝の調子が悪い人がいるので、登頂から一気に下山は時間的にきつい、という意見が出たので、登頂は断念し、1日早く切り上げて下山することに決まった。私もこの暴風の中じゃ、三山を登頂しても何にも嬉しくないので、下山でいいと思った。

雨脚が少し落ち着いたのを見計らい、下山する。

ここからが地獄。

弱まったと思った雨はどんどん強まり、風と供に全身を打ち付ける。1日目はなんともなかったゴローの靴も、今日は中まで水がしみ込んで、もはやぐちょぐちょ。子供の頃、長靴の中までぐしょぐしょになった感覚を呼び戻す。気持ち悪い。

ジャージャーの雨のなか、ひたすら無言で進む。

途中、大学のワンゲル部の子たちが一休みしているところに出会う。みんな、この雨にやられて、うなだれている。今日中に鳳凰小屋まで行くといっていた。凄い。。。若いから可能なのだろう。でも落雷は危険だから心配ね。

私たちも下山口へ急いで向かう。とにかく早く戻って、早く温泉に浸かりたい!

という一心で、温かい温泉を想像しながら、自分を励ましながら、たったと下りる。

靴の中がぐしょぐしょなので、久しぶりに靴擦れも起こす。

けど、この暴風の中、止まってスパッツとレインパンツを取って、靴ひもを解いて、靴下を脱いで、絆創膏を貼る余裕がまったくないので、我慢して進む。痛いし辛い。

とりあえず、4時間半で夜叉神の登山口に到着。

タクシーを呼び、近所の温泉に寄ってもらう。

 

温泉に入り、身体を温めて、一応復活。

荷物が全部びしょびしょなので、持ってきていたビニールや防水バックを総動員して詰め直す。

靴擦れも、靴擦れ防止でテーピングしていたにも関わらず、今までにないくらい皮が剥けてしまっていたので、キズパワーパッドを貼る。

身体は温かく、綺麗になったが、靴だけはびっしょびしょなので、気持ち悪い。こういう時に限って、履き替え用のクロックスを持ってきていないマヌケな私。激しく後悔する。

甲府駅で切符を取り直して、スーパーあずさで新宿まで帰る。

 

帰ってからは、ひたすら洗濯。ザックも、靴ひもも、洗えるものはすべて洗った。

 

今回は、大変な山行だったが、これもいい経験だと思う。辛い思いを共有した分、一緒に登った人たちとも仲良くなったし。

特に今後は、防水対策に力を入れたい。

ビニールはあるだけいいし、夏も使い捨てカイロは携帯しておいた方がいい。あと、防水の靴下も一足忍ばせておくのもいい。あとクロックスも。

そして最後に、梅雨時に泊まりの登山は入れるもんじゃない(笑)。