きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

逃避の副産物。

「勉強からの逃避」がもたらす力は、ドラマ視聴に集中できるだけでなく、読書も驚くべきスピードで進ませることができること。

 

甥っ子の受験がほぼ、終わったらしいので、彼の好きな小説を数冊見繕って送ってあげた。ついでに自分の本も、数冊購入し通勤の往復で読んでいた。

半年遅れだけど、平野啓一郎の『ある男』を本日読了した。面白かった!

平野さんて、最初の頃の作品は、小難しくて、何度読んでもよく分からないなあと、自分の読解力の無さも相まって、あまり好んで読むことはなかったのだけど、年を追う毎に、読み易く、且つ印象深い作品を書かれているように思える。

元々頭の良い人だと思うけど、頭の良い人だけで通じ合っていたレベルから、ちゃんと平民のレベルまで下りてきていながらも、巧みに構成された物語の中に、知的で技巧的な部分もさらっと残すという、作家としてとても成熟されてきたんだなあと恐れ入った。人間的な優しさ、温かみが文字の中から溢れてきているような。『マチネの終わりに』も良かったけど、『ある男』も素敵な作品だった。今作で読売文学賞も受賞したと聞いたが、然もありなん。

次は何を読もうかな。…。さっさと勉強しろよと、頭の隅で誰かが言ってる。