しんどいガルシア・マルケスから、やっと解放されたのもつかの間。
ずっしりとした哀しみや、やりきれなさ、諦めのような切なさはまたしても巡っている。
今読んでいるのはアリス・マンローの『小説のように』。短篇の女王だね。
こちらも13年のノーベル文学賞受賞作。もちろん、猫母文庫から借りてきた本。貸本はこれがラスト。(今更分かったけど、この度拝借してきた塊は、ノーベル縛り?だったようだった。)
これ、英字の原題は『Too Much Happiness』なんだな。短編10篇の中の1話の題名の一つだけど、意図して別の題名を持ってきているのだ。
正直、原題の方がしっくりくる、かも。幸せすぎて、なんてマンローの小説ではあまり見受けられない表現だものね。わざと、皮肉めいてタイトルに持ってきたとも考えられるかしら。
まだ読了しきれていないのだけど、こちらの短編群も読みごたえのある作品だと思う。
人は、終始幸福なんてことはない。でもそれが人生なるもの。幸福な日もあれば、ありきたりの日もあったり、不幸な日もある。そんな日常の中で、人生が変化する一瞬、決定的瞬間を描くのがとても上手い。ただ、注意深く、じっくりと読み進めていかないと、マンローのさざ波のような細かな表現を味わうのは難儀かもしれない(読み手の力不足によるかもしれないけど 汗)。通勤で読むよりも、月夜の下、寝る前に読むに適しているかもね。