きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

老人デート。

 

デートをしてみた。私にしては、珍しいことである。

お相手の地元にある洋食屋さんでハンバーグステーキを食べて

電車を乗り継いで、京王線駒場東大前で下車。

東大教養学部を通り抜けて行った先は、「旧前田家本邸」。

 

前田家とは、東大の赤門、前田のご門でお馴染みだが、

加賀藩主で前田家第16代当主の利為(としなり)が自邸として建築。当時東洋一の 邸宅と称せられていた。駒場の 田園の趣にあわせたイギリスのチュー ダー様式を取り入れている。

私の好きな藤森教授の「建築探偵シリーズ」にも登場している洋館なので、いつか見てみたいなあとは思っていたのだが、なんと7月1日から平成30年9月末まで、保存整備工事のために、休館してしまう!ということを聞き、

「私、平成30年まで生きているか分からないし!」後悔してからでは遅い、と慌てていくことにしたのだ。

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煉瓦、照明、タイル、壁紙、レリーフ、あらゆるところに細かな装飾や技巧が凝らされていて、感動する。さりげなく前田家の家紋が入っていたり。照明器具のデザインも、部屋ごとに違っているのも面白い。(長女や三男、三女の部屋の装飾も全て違っており、当時長女が特別に扱われていたのかなと感じた。)

 

そして、駅に戻る途中に、「日本民藝館」にも立ち寄る。

日本民藝館は、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として、思想家の柳宗悦らにより企画され、多くの賛同者の援助を得て、1936年に開設された。初代館長には柳宗悦が就任し、二代目は陶芸家の濱田庄司、三代目は宗悦の長男でプロダクトデザイナー柳宗理、四代目は実業家の小林陽太郎、そして現在はプロダクトデザイナー深澤直人が館長職を継いでいる。

益子の陶器市へは毎年遊びに行っているため益子民藝館はよく知っているのだが、東京の民藝館は初めてだった。カタログや図録で見ていた陶器や絵画、漆工芸がたくさん展示されていて、興味深かった。驚いたのは、拝観する人の多さ。おしゃれそうなカップルや、年配の女性たちが大半。

たまに、CASA BRUTUSでも特集されているけど、今もこんなに民藝ブームが続いているのか。あるいは、民藝運動の狙い通りに、用の美が現代に普通に定着したということかな。

なんてことを会話しながら、楽しく家路に着いたという、老人のようなデートをした休日である。

(たまには、食べ物(ぬか漬け)以外の、艶のあることもしたりして。ふふふ)