きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

鑑賞&読書の記

ここ1、2週間で観たドラマや本についての記。

 

先日図書館から借りていた、西加奈子さんの『サラバ』上下巻と、川上弘美さんの『なめらかで熱くて甘苦しくて』を読む。

図書館の貸し出し期間が2週間と短いので、私にしてはマッハで読んだ。

小説を速読する、、、というのは、文学には全くふさわしくないけども。

『サラバ!』は評判通りの、良本で、勢いのあるストーリーだった。主人公の圷歩を中心とした、色濃い登場人物たちとの場面、時代の展開豊かに繰り広げられていた。

下巻での、姉貴子の言葉は、歩だけでなく、読んでいる自分の胸にも刺ささる言葉だったが、何より私は歩の親友ヤコブと過ごした部分が一番読んでいて心地よく、すがすがしい気持ちになった。読む前から、「サラバ」が小説内でどのように作用するのかな?と楽しみでいたのだが、ヤコブとの合言葉であったことが何より嬉しかった。

この作品は、中東で暮らした経験を持つ西さんでしか書けない作品だろうな。

 

川上さんの作品は、いつも通り安定したしっとり感で、5話の短編集を愉しく読めた。

少女だったり母だったり、女だったり、子供だったり、年も立場も違う女の感覚が描かれているのだが、どれも自分の経験がありそうだったり、共感ができるのは、私が年を重ねて中年になったからなのかなあなんて、考えてしまった。川上さんのテンポが今の自分には丁度合うのだろうな。

事前情報は全くなしで手に取ったのだけど後でamazonのレビューなどを見ると、「川上弘美が描く官能小説」として紹介されていたので、「ああ、そうだったんだ」と少し驚いた。性愛については描かれてはいるけれど、性表現であっても、なぜかさらっとしていて、ドロドロした生臭い感じが全くしないので、特別に官能小説とも思えない。もちろん、いい意味で。

普通の人が、普通に生きている中に、必然としてある出来事、をさらっと描いているのだけど、でも心のどこかに「女の綺麗な爪で、いたずらに引っかかれたミミズ腫れ」ができたような跡が必ず残っている気がする。それが、川上さんの作品に感じる色気かな。

 

そして、韓国ドラマ。

先日、やっと「signal」最終話まで視聴した。いやー、凄かった!

最初から、最後まで、ドラマの隅々までハラハラドキドキ目が離せない状況が継続していた。今年1番のドラマだと思う。

最初はイ・ジェフン演じるパク・ヘヨンに同調しながら見ていたのだけど、途中からは専ら、イ・ジェハン刑事になり切り、ハラハラ涙を流しながらPCにかじりついてしまっていた。

20数年の時を超え、その時代に生きる刑事が、無線を通じて数々の未解決事件を解決していくのだが、そのバラバラで起こったと思われた事件一つ一つが解決すると共に、主人公に纏わるある事件に繋がっていく。未解決事件が解決することによって、未来が変わってしまったりもするので、つじつま合わせがちゃんと着地できるのか心配していたが、それも問題なく、収束していた。

中でも、ドラマで扱われた未解決事件は、韓国で実在した事件(1990年郭在恩嬢誘拐殺人事件、華城連続殺人事件、新亭洞殺事件、連続強盗事件、聖水大橋崩落事件、仁州女子高生暴行事件)であるのは、韓国に住む人たちには事件の衝撃の記憶も残っているだろうから、余計にリアリティがありのめり込めたのではないかな。

日本ではこういったドラマを作るのは規制が厳しすぎて難しいだろうから、今後も韓国ドラマで楽しませていただこうと思う。

 

あと、既にsignalの印象が強すぎて忘れつつあるけど、「チーズ・イン・ザ・トラップ」も面白いドラマだった。現代の韓国の大学生の生活をリアルに描いているのかなと思えて、学生時代に戻りたくなった。主人公のホン・ソルが美人とは言えないお顔だけど、見ていると、どんどん可愛く見えてしまう。韓国ドラママジックに引っかかった。シグナルもチートラもそうだど、人間やはり中身よね、と再認識。あたり前か。