きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

ショック選り取り。

 

昨日から電車で米原万里さんのエッセイを読んでいる。

20年以上前の作品だけど、社会情勢、経済状況、憂慮されている事態がそのまま今現実になっているのは、米原さんの洞察力、先見の明に頭が下がるばかり。こんな優秀な書き手を早く失ってしまったのは、非常に残念でならない。まだまだ傑作を次々に生みだせるはずだったのに。

読んでいて、とても衝撃を受けた話があるのでここでちょっと記したい。

コンクリートの寿命についての話の冒頭、米原さんは飛行機に乗る頻度が高いので、いつも遺書を書き改めていた。でも、人間はいつか死ぬし、飛行機事故なら一瞬で済みそうだから長患いで苦しんだ挙句よりも好都合でないかと思っていた。

そうしたら、航空関係に勤めている同級生に、「一瞬と言うけれど、時間というものは極めて主観的なもので、第三者にとってはほんの数分の出来事に見えても、奇跡的に生き残った人たちの証言を聞く限り、例外なく時間が恐ろしく長かったと言っている。己の生涯の印象に残ったあれこれの場面を回想する余裕があるほどに長かったと。~~、航空会社は墜落現場の詳細な写真を決して公表しないだろう。それは、墜落死した人たちが、ことごとく白髪になってしまっているからなんだ。あまりの恐怖のために、落下中のわずかな時間に髪が真っ白になってしまうんだ」とたしなめられたそうだ。

お、恐ろしすぎる。私も飛行機事故なら、もう一瞬だし、観念するしかないなと思っていたけど、怖すぎる。走馬燈が何周まわってしまうのだろう。

ちなみに、これは冒頭の枕で、その後、新幹線のトンネル(コンクリート)の危うさにも言及されていた。急激な経済発展に合わせるように、日本中に新幹線を走らせるべく、至る所で突貫工事が行われていたそうだ。建設現場で仕事をしていた人たちは「あんなでたらめな工事で、あの振動に耐えられるとは到底思えない。だから自分は飛行機と在来線しか乗りたくない」と言っているそうだ。お、恐ろしい……。

日本は、いつでもどこでも安心安全が保障されいているなんて思っていたら甘いということだろうか。危機にもうちょっと敏感にならないといけないなと反省する。

 

そして一息ついて、顔を上げると、またまた知らない風景が。

乗換駅をとうに乗り過ごしていることに気づいた!!!

あああ。ショオーーーック!!やっちまったーーー!!!

久々に大遅刻をやらかした。危機管理以前の問題かも。とほほ。