しつこい程よく書いているのだけど。
私は鼻が効く。たぶん、普通の人の倍は鼻がいいと思う。(うちの母も同じことを言っているので、どうやらこれは遺伝らしい。)
自分自身のものも含めて、外で他人とすれ違うだけで、その人の加齢臭とか汗臭とか脂とか、結構な種類を嗅ぎ分けられる。
こういうことを仕事に活かせたらいいのだろうけど、全く関係ないので、この能力、迷惑極まりない。自分が臭くても、他人が臭くても、泣きたくなる瞬間が多すぎて困る。鈍感な方がむしろ有難かった。
だから、外にいる時は、なるべく若くて綺麗な男女の後ろを歩くようにしている。おしゃれな彼らは、ファッションだけでなく、清潔で、匂いにも気を使っているから。
彼らの後ろを歩いておけば、終始、いい香りが漂ってくるので、不快な思いをしなくて済む。
ある種の自己防衛です。
先日、若いお嬢さん二人が目の前を歩いていた。
私は安心して二人の後ろを歩いていた。
この日も、とても麗しい素敵な香りが漂っていたので。
「やっぱり、若くて綺麗な子はいい匂いだから安心するな~」。
今、私が男であったら、途端にアウトな思いを抱きながら歩いていた。(女でもアウトかしら……。)
すると、目の前ですいっと彼女たちが角を曲がっていってしまった。
「さよなら、いい香り」と素敵な香りに別れを告げて、私はまっすぐ歩きだす。
あれ?
彼女たちとはお別れしたはずなのに、素敵な香りがまだ漂っている。
お、おかしい。何故?
この香りは、どこから???
と思い、前を見つめると、
そこには、厳つく、ガタイのデカい、サラリーマンのおじさんが、がしがしと歩いているではないですか!
ちょっと速足で、おじさんの後ろについてみる。
いい香り。まさに、先ほどの彼女たちから漂っていると思っていた香りである。
おじさんなのに、優しくて、甘くて、可憐な香りがしている。
おじさん……、素敵だ。
恐らく、香水ではなくて、柔軟剤なのかな。奥様(勝手に妄想)が気を使って使用しているのかしら。それとも娘さん(勝手に妄想2)のチョイスかな。どちらにしてもナイスです。
香りひとつで、好感度アップという。
おじさん、グッジョブ。