停滞していた登山記録を書く。
2日目。
数日前の天気予報では明け方から天気が崩れるとのことだったが、雲が半日くらいずれた模様。
思いの外、快晴である。北アルプスも綺麗だなあー。
本日も、のんびりと硫黄岳山荘を目指しつつ、植物を探しながらのハイキング。
夏沢鉱泉からのゆるい登りは、樹林帯の中を歩いていく。
背の高いオサバグサ。
他にはマイズルソウ(撮り忘れた)がちらほらと咲いていた。
だらだらと緩い登りで、途中、オーレン小屋でトイレ休憩(トイレは綺麗。100円チップを忘れずに。)をしてさらに登ると、夏沢峠へ。
ヒュッテ夏沢。閉まっている。調べたところ、学校登山などの集団登山の際に開けてくれるようだ。ちなみに、夏沢峠のトイレも閉鎖されていた。
はぁ~。夏沢峠から見渡す北アルプスもオツだわ。空と雲と、山脈のグラデーション、素敵だなぁ。
夏沢峠から硫黄岳へはやや急登が続く。つ、辛い!!
ひぃひぃ言っているBBAを尻目に、高山植物たちは優雅に咲き誇っている。
しばしの癒しになる。
イワヒゲ。
イワウメ。綺麗に開いている。イワカガミの仲間なんだそうだ。
この先、しばし岩稜帯を通り抜けて、最後の急登を上がれば。
硫黄岳山頂(2760m)。わーい。
ぎりぎり、今のところ、雨も降っておらず。
私、4,5年前にも縦走でここには来ているのだが、その時はジャブジャブの雨の中の登山で、山頂での記念写真も、友人と共に、自然に打ちのめされたボロボロの娘たちの姿が映っている。これで酷い山頂での想い出を塗り替えられる。
硫黄岳の山頂は意外と広い。そして、雲行きが怪しくなってきた。
雨に降られる前に、山荘へ一気に下りましょう!
20分程一気に下ると、硫黄岳山荘へ到着。
この小屋は、ほんとに快適山荘。トイレはウォシュレットだし、温水シャワーも15分500円で浴びれるのだ。山の上の天国ですなー。
雨が降り出してきたのだが、現在まだ午前中!!というビックリなお時間。山の一日って、スタートが5時とかなので、ほんとに長いのよね。
勿体ないので、ここ数日、咲きだしたと目撃情報のある超レアキャラ高山植物「ツクモグサ」を探しに行こう!ということになった。
レインウェアに着替えて、最低限の行動食、水、カメラのみを持って出発。
ツクモグサの目撃情報が、横岳の梯子近く、とのことなので、横岳方面へ地面と睨めっこしながら歩みを進める。
オヤマノエンドウ。
青が美しい。コバルトブルーっていうの?
イワカガミ。花弁が可愛らしいレースのスカートのよう。そして、撮り損ねたが、コマクサもちょこちょこ咲き始めていた。
おおおっ!!!これも珍しい!!!
チョウノスケソウ!
イワウメに似ているけど、こちらはバラ科。高山植物って難しいなあ。
こちらも久しぶり。ウルップソウ。花は下から上へ順に咲くので、もうピークね。
オヤマノエンドウ、チョウノスケソウと、マイズルソウが咲きまくっている。
これが見られるのって、結構珍しいことなのよ。
ここを過ぎたあたりから、雨が強くなってきた。
でも、ツクモグサはまだ見つからない。
情報によると、横岳の奥ノ院あたりにあったと聞いたので、
岩を渡り、はしごを登り、鎖をたぐりと、足元の植物を見分けながら進む。
探しているうちに。あれれ!
横岳山頂へ着いちまった!
もうちょっと、先まで行って(探して)みよう、とのことで、雨の降る中、どんどこ進む。
すると、目の前には、赤岳展望荘が。
とんだところまで遊びに来ちゃったもんだわ!
このまま雨が強くなると、戻るのが大変になるので、残念ながら、ツクモグサを諦めてUターン。
ここからは冷たい雨で、手袋をはめている手先もかじかみだし、写真も撮れなかった。
ずぶぬれになって、硫黄岳山荘に戻る。(あれ?4,5年前のデジャブのような?ww)
急いで着替えをして、談話室で宴会。
今回同行したお姉さま方(60代~70代のすこぶる健脚レディース)は、恐ろしい程お酒が強い。夕飯前にビールと日本酒、ボトルワインをちゃんぽん(涙)
ほろ酔いのまま、夕飯へ流れる。
なんと、硫黄岳山荘、本日の夕飯は、餃子!!と白身魚の黒酢餡かけ!!!
山の上で、こんなご馳走が食べられるなんて。嬉しいなあ~。そしてまた、お姉さま方と一緒に瓶ビールを乾杯。
夜8時には就寝。
そして、ここから恐ろしいことが起こる。
夜、寝ていると、なんだか胸が苦しい。
むくっと起き上がって、トイレに向かう。
トイレ手前の玄関あたりで、ぐうっと伸びをした瞬間、
猛烈な吐き気に襲われた。うげーーーっ。
げーーーっ。こりゃあ、まぎれもない、高山病だわ。
今回、全く頭も痛くならなかったので楽勝だと思っていたのに(涙)。
とりあえず、トイレで用を済まし、気持ち悪いけど、吐くものも出ず。
布団に戻って、深~く深~く呼吸することを心掛けて眠ろうとするのだが。
トックントックンと、胸の動悸が収まらない。こんなのは、初めてだ。
これ、寝ているうちに、心臓止まっちゃうんじゃないの?!
と、焦りつつ、
あー、部屋片づけてきたかなあ。現金の入ったポーチ投げ飛ばしてあるのよねえ。
など、私死ぬかも?!と頭の片隅で思いながらも、人間ってどうでもいいことを心配するのねえと感心しながら、いつの間にか眠りについた。
そして朝。
起きても尚、気持ち悪ーい ><。うへえっ。
こりゃあ、まんまと高山病であります。
原因は、そのときは気持ち悪すぎて全く頭になかったけど(下山してから気が付いた!!お、遅すぎる。)、「高山での、限度を超す飲酒!!」の外ない。ありえない。orz
ここ数年、高山病を考慮して、頂上では酒は控えるとにしていたんだけど、あまりに楽しくてついつい飲んでしまったのだ。あー。自業自得っ!!
気持ち悪すぎて、朝ご飯も喉を通らず、心配したお姉さま方が「果物くらいなら食べられるんじゃないの?!」と、デザートに出たグレープフルーツを差し出してくれた。
これを6切れ、グレープフルーツ1個を食べて、とりあえず下山。
帰りは、硫黄岳経由の北沢コースで美濃戸口まで降りる。
吐きそうになりながら、無心で降りる。
標高が2300m前後になると、大分体調も楽になった。
多少楽になったのはいいのだが、何せ、グレープフルーツ1個で身体を動かしている身。
放っておくとシャリバテになるので、アミノバイタルゼリーやら、ナッツやら、行動食を胃に無理やり詰め込む。
絶不調ながら、約5時間半(赤岳鉱泉、美濃戸山荘での休憩は、ほぼ記憶にない。)、無心で美濃戸口まで降り切った。
ほんとに(気持ち悪くて)死ぬかと思った。死にそうな割には、コースタイム通りだったことにも驚く。兎に角、早く下山したかったのだと思う(笑)。
美濃戸口からはタクシーで日帰り温泉に連れていってもらい、風呂でゆっくりしてから、茅野駅へ。
茅野駅でお土産を眺めていると、地元のオバチャンに「どこの山へ行ってきたの?!」と話しかけられる。そのついでに、このあたりで一番美味しいお蕎麦屋さんはどこですか?と質問返しをして、教えてもらった。
ここが美味しいんだって。
オバチャンに勧められるまま、みんなでお蕎麦屋さんへ行ってみる。
一人はざるで、残りはみんなで鴨汁せいろを食べる。
んんんっ!!!
美味しーーーい!!!この、歯ごたえ、蕎麦の香り!う、うまい!
本日最初のまともなご飯はとっても美味しいよー。(T△T)
お蕎麦と、またビール(超、懲りない奴。というか酒豪たちに無理やり飲まされる。)で今回の山旅に乾杯する。
最後は一番年下の私が足を引っ張ってしまったので、姉さま方に低頭平身、お詫びをする。
辛そうでも頑張っているのが分かったから、黙って見守っていたのよ~。と、温かい言葉をかけていただく。いい人たちだな~。
また、どこかの山でご一緒しましょうね~。
今回は、ツクモグサを見ることがラスボス的な目標だったのだが、雨の中の探索では見つけることができなかった。
でも、代わりにこの時期はまだ咲かないはずの、チョウノスケソウやオヤマノエンドウ、ウルップソウ、イチヨウランを見ることができたのはとても幸運だった。
ツクモグサはまた来年の楽しみということにしたい。
後半、ぐっだぐだになってしまった。
以上。