きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

お花見登山。栃木百名山、安戸山。

 

この時期、お花見といえば桜、だけではない。

日本の山にはたくさんの春の花が咲いているのだ。

 

この日は、花見登山をするために、栃木県にある安戸山へ登ってきた。

 

安戸山。1151.5m

栃木百名山の一つでもあり、何より、約100年近く前、昭和天皇が皇太子時代に登山をされた山として有名だそう。

 

事前に山レコや山渓のサイトなどで登山された人のレビューを調べたが、眺望もなく、あまり面白味のなさそうな山だと書かれている人が多かった。

とりあえず、前日に登った人が、「雪は融けていた」と書いていたので、アイゼンは持つ必要がないな!とひと安心。

 

今回は、現地に住んでいる登山ガイドの方が、一般道ではない、地元民が利用する裏ルートで案内をしてくれるとのことだった。

一般道では、先のネットのコメントの通り、眺望もなく、花もたくさん見ることができないそうなのだが、実は裏ルートでは、どちらも叶えられるのだそうだ。

 

バスで那須のアグリパル塩原道の駅まで行き、そこから少し進んだ場所に、安戸山の入り口がある。かつては小学校だった場所が駐車場になっていた。

脇には綺麗な白モクレン

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そこの少し上方に、御野立所碑というものが見える。

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ガイドの方が言うには、当時の元藩主が馬で昭和天皇をお連れして、

この場所で野立をした記念の碑だといわれている(なので、もしかすると、登山はしていないかも、、、?とも言われている、らしい)。那須のあたりは一時は一ツ橋徳川の領地でもあったので、皇室とも縁が深い土地なのかもしれない。

 

御野立所碑を右手に進むと小川が流れ、丸太橋を渡る。

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ここで、右手に行くと一般道、なのだが、私たちは左手に進む。

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そのまま林道を歩いてまた沢を渡る。

途中、分岐がいろいろ出てくるのだが、ガイドさんの進む道をついていく。(ここは、詳しい地図もないし、ルートが不明瞭。いつも通っている案内人がいなければ難しいと思う。素人が入ると100%迷子になる。)

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こんな感じの林の中を進んでいく。

 

ありました、春の花。カタクリ

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イワウチワ

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ショウジョウバカマ

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アカヤシオ(ちょっと終わりかけ)

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こちらもアカヤシオ(色が濃い)

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至るところにイワウチワ。楚々として可愛い。

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春の花を愛でつつ、ここでしばし、100mくらいの急登が立ちはだかる。

燕の急登の短いバージョンかな?一瞬だけど、そのくらいのハードさはあった。

一般道ではないので、踏み跡も少なく、ロープもないので、木にうまくつかまりながらよじ登っていくしかない。

そこを登りきると、しばらく山沿いをトラバースし、頂上手前の林道の広場に出る。(林業や、電源開発系のお仕事の方のための専用道路と駐車場のようだ)

しばし、そこで昼食を取る。

そして再び出発。

林道を30分くらい歩き、頂上手前で一般登山道と合流する。

そこからは、最後の急登を登る。ここには、ガイドロープもあるので安心して登ることができる。

急登を過ぎたあたりに発見。鹿の角。こんな立派のが抜けたの?!

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道を歩いていると、ところどころに鹿のフンがぱらぱらと落ちているので、鹿がたくさん生息しているようだ。(あとで聞いたら、ニホンカモシカが多くいるらしい)木の皮も結構剥けていたので、実り豊かな山なのでしょうね。

 

なだらかな登りを越えると、頂上。

頂上はあっさりと、あっけない(笑)。

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そこからまた、前安戸山を経由して、先ほど登ってきた廃林道とは別の、送電線の順路を下山していく。

途中、植物の葉や芽でわさわさと覆われている一帯がある。

ハシリドコロの花↓や、トリカブトの芽、バイケイソウなど、みな毒を持つ植物のために虫も動物も食べないので、どんどん増殖してしまうようだ。

槍ヶ岳の途中にも、一帯がトリカブトが生息していたりしたけど、誰も近づかないのでどんどん増えてしまった結果なのだろう。植物の知恵、自然ってすごいなあ。

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少し藪の中をトラバースしながら降りていくと、突然の目の前にのどかな展望が。f:id:Hi_nekosan:20180410115920j:plain

那須の町一帯が見渡せる。左側には那須岳一帯(撮り忘れたが、雄大那須岳の裾野までがくっきりと見えた)。

ここからまた、藪の中、落ち葉を掻き散らすように、一気に下山をする。

一般道ではないため(ほぼ、けもの道に近い)、踏み跡もないので、厚く敷かれた落ち葉の下に何があるかわからない上、角度も急な道は、反対側が切れているので注意深く進まないと、滑るし、最悪道から転がり落ちる恐れがある。転ぶまではいかないが、何度も足首をくじきそうになった。危ない。

緊張しながら1時間下山を続けると、民家の脇に出る。

安戸山への標識もあることからおそらくここが、一般道の入り口。

登山は終了。休憩込みでトータル5時間くらい。

 

そして、ここからが花見。

安戸山麓は、周囲の民家の庭木も素晴らしい。

シャクナゲ

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乳牛業のおうちの看板。可愛い。

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まだまだ咲いている。ソメイヨシノ

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ミツバツツジかな?

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民家の花を眺めながら、御野立碑の近くの蟇沼用水の土手へ歩いていくと。

あらまあ!!!

至るところに花が溢れている!

ニリンソウ

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カタクリの花も、至る所にたくさん。

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エンレイソウ

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蟇沼の土手の上の藪の中には、お猿さんもたくさんいた。

毛がふわふわしていて綺麗なお猿さんたちだった。

 

思う存分春の野草を愛で、満足して帰路に就く。

 

ピークハントが目的としていない山好きな人であれば、現地に住むガイドさんにお願いしてみるのも、ひとつの手だと思う。山レコなどでも知ることのできない道を楽しむことができるのだから。

大変に、大満足の山行だった。

 

あとそれと。一緒にガイドツアーに参加していたおばあちゃんとおしゃべりしていたのだが、7月にBBAが予定している登山ツアーに、おばあちゃんも申し込みをしたと知り、二人で「やー、よろしくねー!一緒に登ろうね~!!!」と盛り上がってしまった。このおばあちゃんは、80歳を超えていても尚健脚で、百名山も終わり、今は好みの山を味わいながら登られているそうで。今も毎週、どこかの山にいるそうだ。

そんな80代、素敵だわ~。