きのう、何してたかな。

猫好き、山好き、本好き、映画・ドラマ好き。トドメは食いしん坊OLの、平凡な記録です。

コーヒーのお話④

スペシャルティコーヒー

 

スペシャルティコーヒーとは、1978年にフランスで開かれたコーヒー国際会議の席上で、アメリカのエルナ・クヌッセン女子が「スペシャルティコーヒー」という表現をはじめて使用したことから始まった。

『特別な気象・地理的条件が、ユニークな香気を有するコーヒーを生む』というクヌッセン女子の提唱が、欧米を中心に世界各国へ広がっていった。

 

スペシャルティコーヒーの台頭

全米コーヒー協会の調査によると、アメリカでのコーヒーの消費量は1962年にピークを迎え、一人当たりの1日の飲用杯数は3.12杯だった。その後、カフェインの効能が偏って評価されたり、清涼飲料水の市場シェア拡大の影響を受けたりと、80年代まで徐々に減少し続ける。そこで、これまでのコーヒーのイメージを払拭する新しいスタイルのコーヒーが、西海岸を中心に開発され始め、特にイタリアンスタイルのエスプレッソやカプチーノを売りにしたカフェが台頭していく。同時に「おいしいコーヒー」を市場に提供していくための研究が進み、生産地との連体も見直されていった。

 

スペシャルティコーヒーのキーワード

スペシャルティコーヒーのキーワード「from seed to cup」の意味するものは、「コーヒーの生産(seed=種)からカップに至るまでのすべてのプロセス」のことで、このすべてをもってスペシャルティコーヒーが形成されるという考え方となる。以下の3要素についてが、特に重要とされている。

①サステイナビリティ(sustainability)

コーヒーの生産現場において、環境、社会問題、経済等を配慮しながら、品質の優れたコーヒーの安定的、継続的な生産及び供給をすること。

 

②クオリティ(quality)

特別な地理的、気象的条件、栽培技術、生産処理技術による、優れたカップクオリティを持っていること。

 

③インフォメーション(information)

トレーサビリティ(traceability=追跡可能な)はもちろんのこと、コーヒーのカップの中のおいしさを消費者に正しく伝えること。

 

☆まとめ

スペシャルティコーヒーはアメリカンを中心に1990年ごろから広がりを見せ、世界的に認知されるようになる。それに伴い「おいしいコーヒー」の追求だけでなく、食品や安全性や企業の社会的責任の追及など、コーヒー業界とのかかわりも大きくなっていった。このことは、消費国だけにとどまらず生産国のコーヒー栽培に関連し、コーヒーの品質改善、自然環境の保護・保全や農園内の労働環境、生産者の生活環境の改善へと踏み込んだ流れとなり、新しい活動(サステイナビリティ、トレーサビリティ、認証コーヒー)が活発化している。

 

次回は豆の違いや種類について。