恐ろしいドラマを観ている。
先日から始まった韓国KBSテレビで放送されている「マスターククスの神」。
ククスとは、韓国のうどんのことで、マスターククスは、うどんの名匠?というのかな?
日本だと、皇室御用達の蕎麦職人など高い位置にいる人なのかな。
自分の両親を殺したククスの名匠に復讐する話のようなのだが、
主演のムミョンは私の好きな、チョン・ジョンミョン。両親を殺した宿敵はチョ・ジェヒョン演じるキム・ギルド。
チョ・ジェヒョンといえば、現在テレビ東京で放映している「パンチ」でも嫌~な検事役として怪演しているのだが、もう、その何倍もやばい><。
自分に不利な人間がいたら、ばっさばさ、これでもか!というくらい消し去ってします。殺してしまうのだ。残忍さマックスである。
えええー!!!ひどいーーー!!と叫びながら観ているが、ギルドという男、怖すぎる。恐怖である。
恐ろしい書籍を読んだ。
橘玲さんの『言ってはいけない』。
書店で立ち読みしたところ、面白くて止まらなくなった。購入しようかと思ったが、この本はきっと、読書マニアの母が既に買っているはずだと踏んで実家へ行った。
予想通り、実家の本棚に置いてあった!
さっそく借りて、通勤で読みだしたのだが、やばい。
事実に目をそむけたくなるけど、知りたいことがたくさん。
・馬鹿は遺伝なのか
・犯罪は遺伝するのか
・人種とIQについてのタブー
・オラウータンもレイプする
・外見から知性は推測できる
・美人とブスでは経済格差は3600万円
・「氏が半分、育ちが半分」の真偽
・英才教育のムダと「バカでかわいい女」
…と、適当に抜粋した小テーマのタイトルだけでも目を引いてしまわないだろうか?
今までタブーと言われていたような事項を、数々の研究から発表された論文に基づいて、冷静に淡々と、論理的に書かれている。迷信やいい伝えではなく、列記とした事実。
どきどきしながら読んでしまった。
「私」を構成するひとつひとつの細胞の、どういった部分が遺伝の影響を受けていて、どういった部分が環境によるものか、また反対に影響しない(または影響の低い)部分がどこなのか、ということが分かっただけでもとても勉強になった。
また、最後の「あとがき」に右脳と左脳の役割についての記述がある。(部分的に端折っているが)
左脳が自己正当化、すなわち自分に都合のいいウソをでっちあげることができるという。無意識がねつ造した気分のいいウソは、「意識」というスクリーンに映し出される。そして効果的に相手をダマす方法は、自分もそのウソを信じることだ。社会的な動物であるヒトは上手にウソをつくために知性を極端に発達させ、ついには高度な欺瞞の能力を身につけた。
これが「現代の進化論」の標準的な説明だが、もしこれが正しいとしたら、暴力や戦争をなくすために理性や啓蒙に頼ったところでなんの意味もない。自己欺瞞は無意識のはたらきだから意識によって矯正することはできず、他人が欺瞞を指摘すればするほどかたくなになっていく。これが、教育によってISのテロリストを厚生させられない理由だろう……。
読んでいて、背筋が寒くなった。私は子供の成長には、貧困の救済には、教育が絶対的に必要だと思っているのだが、遺伝子や脳の働きにより、教育でも矯正できないことってあるのだなと、初めて知った。悲しい。
しかし最後にも書かれているように、未来をいたずらに悲観することなく、そこそこゆたかでそこそこ暮らしやすい世の中ならじゅうぶん期待できるという。
そして橘さんの言うように、「不愉快なものにこそ語るべき価値がある。」そのとおりだと思う。
恐怖である。が、知っておかなきゃならない知識なのだと思う。